祈りにも似て

生きることは深爪の痛みに似ています

はじまり

あらゆるものは、極から極へと引かれた線の上のどこか、あるいはグラデーションの濃淡のどこか、固有の目盛りに当てはめられない位置に曖昧に存在するにすぎない。

わたしはいつでも寄る辺ない気持ちを抱えているけれど、その理由はきっとそういった曖昧さにある。自分を定義する言葉がうまく見つからない。たくさんの具体例を並べて、その法則性から浮かび上がるものが「わたし」により近いものである。わたしはそのようにしかわたしを表せない。

自分を人へ説明するときにはいつも冗長さが付きまとう。大切なことほど誤らずに伝えたいと思うから、場合分けして具体的に仔細に立ち入り話すけれど、きっと相手からすればそのような話を聞くのは面倒であることだろう。

という、いつもなにかややこしさを抱えてしんどいという話。